やり直したいんです

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アストルティアの世界では、一度別れたにもかかわらず、もう一度やり直したいと思う人が後を絶ちません。

Aさん(女性)という相談者が別れたBさん(男性)ともう一度よりを戻したいと私のところに来ています。AさんはBさんと別れたが、恋しく思って戻りたいとのことです。

やり直したい。別れた経緯や理由によって戻れる可能性はあります。しかし、Aさんの話を聞くととても元に戻れそうな理由ではありませんでした。この手の話の経緯や理由を聞き出す課程は長くなるのですが、Aさんから別れた理由を聞くと、長々経緯を話していただけるのですが、論理的に構築された経緯ではなくて、一方的に感情論でまくし立てられるような内容でした。

私が一行でその理由をまとめると、「感情的な高ぶりがあってかっとなって別れました。」という理由です。つまり、なぜ別れることになったのか把握せずに別れてしまったというわけです。しかも自分から別れを切り出して別れましたという始末です。

そして、なぜ別れることになったのか占いで知りたい、そう言い始めます。あなたが別れを切り出したのだから、占うまでもなく理由などわかっているはずです。こんなことを占う意味はあるのでしょうか。さらに聞くと、なんでも相手の本心を知りたいとのことでした。別れた原因は、相手の行動にあるということです。

ここまで読んでいただいた方なら、ほとんどの方がわかっていただけると思いますが、例え彼がどんな行動をとったとしても、別れを切り出した以上、Aさんが別れた原因の主原因です。

私にはAさんとBさんのどっちが正しくて、どっちが悪いとか全く興味ありません。どんな人間関係も一方のみが原因となって破綻することはありません。私が興味あるのは、このような事態になってしまった経緯とその対策です。

私から言わせていただければ、話を聞くだけでAさん自身に問題があると感じています。第一自分から別れを切り出しておいて、もう一度戻りたいというのはおかしな話です。別れというのは、取り消すことのない決断です。

別れを切り出された方、この場合Bさんがよりを戻したいというのは多少理解できますが、別れを切り出したAさんが関係を元に戻したいと思うなんて聞いたことがありません。別れとは、相手が別れたくないといっても、最後まで別れると言い続ける強い覚悟で行うものだと私は思っていました。一度別れたら振り向けないのです。

この話は、「別れ」話ですが、「死ね」話にもつながります。Aさんのように「軽い」気持ちで「別れ」る人もいますが、同様に、相手に対して「死ね」と軽い気持ちで言う人もいます。放った言葉がどれだけ重く多くの人を傷つけているのかを知るべきです。Aさんにはその自覚がないのです。

私は、Aさんは一つ意地悪な質問をしました。

私「あなたは、Bさんと元に戻りたいと言っていたけれど、それは、別れたことを取り消したいということですか。」
A「その時は、別れた方がいいと思ったけれど、やっぱり別れないほうがよかったと思っています。」
私「そうですか。もう一度一からスタートですね。がんばってください。」
A「はい。」

このやりとりに深い意味はありません。ただ、Aさんは自らがゼロからではなく「マイナス」からのスタートであることを理解していないのが残念です。もう一度、Bさんとつきあえたとしても、もう一度別れることになるでしょう。同じ理由で。こうして、アストルティアの闇はいっそう深くなっていきます。

アストルティアの世界はゲームの世界ですが、一般社会のように約束や取引について厳しいルールがあります。詐欺行為はドラゴンクエスト10の永久利用停止、アカウント停止処分が下されます。おそらくBさんからすれば、Aさんから「別れる詐欺」にあったのと変わらないでしょう。心境お察しします。

さて、このAさんをどう導くことが私の役目なのでしょうか。

占いの結果次第というのもありますが、占う前にいつもこれを自問自答しています。やはり、私のモットーは相談者をより良い未来に導くことだからです。それに、これは誰も信じてくれないのですが、占いの結果というのは占う前に決まっていて、占う前に私がこうなると思った結果がそのまま占いに出てしまうからです。

Aさんの要望どおり、Bさんと再び付き合えるとAさんに言うことがAさんにとって良いのでしょうか。もし、それをAさんに私が言ったら、その瞬間Aさんは喜ぶと思います。しかし、現実は残酷でその結果が占いに出ることはないでしょう。つまり、占いの結果もBさんと付き合える見込みがないということです。

そのような場合、占う前に必ずAさんにかける言葉があります。それは、「占いの結果が「諦めろ」と出たら、あなたはBさんのことを諦めますか。」という言葉です。

「はい諦めます」と言ってくれると、私はすごく気が楽になります。なぜなら、Bとのやり直しを「諦め」て新しいスタートをするというのが、一番Aさんにとって良い選択肢だからです。それはBさんにとっても、そしてアストルティアにとってもです。

ただし、このAさんの場合は気が抜けません。なぜなら、この場では諦めてくれるかもしれないけれども、時間がたつにつれて諦めきれなくなってくる可能性が高いからです。そう、別れを切り出したときと同じことが、Bさんだけでなく、この私にまで起こる可能性が高いからです。いわゆる「諦めた詐欺」です。

「詐欺」という言葉を使いましたが正確にいえば「詐欺」ではありません。その瞬間はあきらめていたけれども気持ちが変化することは当然考えられます。

人が好きになるかどうかというのは、理屈ではなくて気持ちだからです。気持ちというのはその人個人の内面であって、他の人がどうこうできる代物ではありません。常に移り変わるものです。どんなにかっこよくて、すぐれた男がいたとしても、その人を好きになるかは女の人の気持ち次第なのです。気持ちというものはそういうものです。

気持ちは個人の内面であるから、どんな気持ちになろうがその個人の勝手です。個人の内面、想像の世界でどんな妄想をしてもそれを咎められることはありません。自由です。

しかし、それを外部に表現する場合、一定の制約を受けます。極端な話ですが、すごく憎い人がいて、その人を殴りつづけたいと思うことは自由です。そして、それを頭の中で想像することも自由です。しかし、本当に憎い人を殴ってしまっていいのかというと、その自由はありません。

Aさんが、Bさんのことを好きになることは自由ですし、気分次第で好きになったり、別れたりするのも自由です。しかし、その自由な気分を使って、AさんがBさんと別れたりつきあったりを繰り返すことをBさんにして良いのかと言われると、私は良くないと思います。もしそれを許すならば、BさんにもAさんを気分次第で好きになったり、別れたりする自由を認めることになります。

お互いそんな状態では間関係長く続きません。本当に人が好きならば、別れたいと思う「瞬間」があったとしても、冷静になって本当に別れた方が良いのかよく考えてから、別れを切り出すことです。それが最低限のマナーではないでしょうか。

話がかなりそれましたが、結局のところ私はAさんのことをどう導けば良いのでしょうか。説教っぽくなってしまいますが、おつきあいいただければと思います。

それは、Aさんに自分のしたことの重大さを認識させることです。別れとは、覆水盆に返らずなのです。

<覆水盆に返らずとは 出典「拾遺記」>
太公望(呂尚)が周に仕官する前、ある女と結婚したが太公望は仕事もせずに本ばかり読んでいたので離縁された。太公望が周から斉に封ぜられ、顕位に上ると女は太公望に復縁を申し出た。太公望は盆の上に水の入った器を持ってきて、器の水を床にこぼして、「この水を盆の上に戻してみよ。」と言った。女はやってみたが当然出来なかった。太公望はそれを見て、「一度こぼれた水は二度と盆の上に戻る事は無い。それと同じように私とお前との間も元に戻る事はありえないのだ。」と復縁を断った。

さらに自分から別れておいて、元に戻りたいと考えること自体がおこがましいのです。別れた後に、別れた人のことを考えてはいけません。もう終わったことなのです。

頭では理解できているけれども、気持ちがそうならないというのも少しわかります。それならば、あえてAさんに聞きましょう。なぜ別れたのですか。ほんとうにBさんが原因なのですか。結局、あなたの気持ちの問題ではないのですか。

ならば、あなた自身で解決できる問題でしょう。瞬間的に別れたいと思っても、ぐっとこらえることが必要だと思わないのですか。あなたはこれから先、ずっと同じ失敗を繰り返しますよ。

と、Aさんに言えればどれだけ良かったかと思います。私の口の先まで出かかっていました。

しかし、私はたかだか占い師です。本人の目の前でここまでいうことはできません。だれかが言わなければならないのです。そうしなければ、Aさんは同じ失敗を繰り返すことになるからです。それはBさんにとっても迷惑な話ですし、私にとっても迷惑な話です。

さすがにここまではっきり言える人は、Aさんの親か親友ぐらいです。だから、私は占い師としてAさんに言えることは限られています。それは、占いの結果を伝えることだけです。

「気持ちはわかりますが、やり直すのは難しいと思います。元の人とやり直すよりも新しい人を探しませんか。別れるときは、すこし時間をおいて考えてから別れた方がいいですね。」

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